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映画だったりそうじゃなかったりします。

寒さが恋しい話

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こんばんは、きゅうです。

せっかく最近涼しくなってきたのに今日は暑くて動けなくて、ああ苦手だなあと痛感したところです。今年の夏もよくスノーマンのハンカチを選んで小さな抵抗をしていました。

夏の湿り気のある空気は人間のにおいがするから嫌い。汗臭いとかそういうことではなく(そういうことでもあるけれど)、人間くさい。わたしが生まれ育った土地は山の麓で、夏でも早朝はひんやりした綺麗な空気を感じられたのに、それが数少ない夏の良いところだと思っていたのに、あれが山だけの特権だったなんて。夏の良いところをもう一つ挙げるなら、夕立。網戸で雨の匂いと音に浸って、雨上がりは洗われたみたいにすっきりした空気になって、それも夕方には気温が下がるあの土地ならではだったのだと思うと切ないです。

一番空気が澄んで気持ちがいいのはやっぱり冬で、乾燥しやすいわたしの肌は悲鳴をあげるけれど、その乾いた冷たい空気がとても好きです。熱いコーヒーとたばこがよく似合う空気。夕焼けから夜になっていく時間に、卒論から逃げ出して居座る大学の喫煙所を思い出して、無責任にも戻りたくなります。卒論はもう二度とやりたくない。

鼻先が冷たくなる感覚も、ざっくりした肌触りのいいセーターも、早く夜が来るのも、朝がなかなか来ないのも、お気に入りの甘い香水が服の内側からほのかに香るのも、温かいお鍋も、潜り込む毛布も。

でも冬の一番良いところは、淋しくないところ。淋しいと寒いは似ていて、寒いとお腹空いたも似ていて、お腹空いたと淋しいも似ていて、温かいお鍋をたべて湯船に浸かればそれで解決してしまうような気がしています。冬は全て「寒い」で良いのです。

夏の「淋しい」は「淋しい」でしかない。苦手だ。

それでは。